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Sports Science Insight|現場に活かす研究知見 Vol.1

  • Douglas Bewernick
  • 2025年12月24日
  • 読了時間: 4分

シーズン中のケガは、突然起きるように見えて、実は少しずつ積み重なった兆候の結果であることがほとんどです。 筋力バランスの乱れ、疲労の蓄積、方向転換やスプリントの反復。これらは日々のトレーニングや試合の中で確実に起きていますが、目に見えにくく、見逃されやすい要因でもあります。 本記事では、最新の研究知見をもとに、データをどのように現場の判断につなげるか、そのヒントを提供します。


復スプリントトレーニング(RST)が与えるCMJとCOD、スプリントへの影響は?


反復スプリントトレーニング(RST)は、短距離を高強度で繰り返すことで、神経筋パフォーマンスの向上を狙うトレーニングです。男性バスケットボール選手を対象にしたメタ解析では、CMJ(カウンタームーブメントジャンプ)、直線スプリント、方向転換(COD)への効果が評価されました。


調査方法と対象

  • 対象:男性バスケットボール選手

  • 研究数:9件

  • 総人数:213名

  • 方法:各研究でトレーニング前後のCMJ、直線スプリント、CODを測定し、ランダム効果モデルで統合的に分析


CMJ(ジャンプ力)

RSTによりジャンプ高さの向上(効果量0.39)が確認されました。リバウンドやシュートの高さなど、試合での垂直方向のパフォーマンス向上に寄与します。


直線スプリント

直線的な加速・スプリント速度も改善されます(効果量 -0.40)。ボール争いや速攻時の初速アップに効果的ですが、改善効果はCODほど大きくありません。


COD(方向転換)

最も顕著な効果が見られたのは方向転換能力(効果量 -1.11)です。素早い切り返しやディフェンスの回避、攻守の切り替えに直結する能力であり、RSTの最大の恩恵と言えます。


効果を高める条件

  • スプリント間の休息は30秒以内

  • 週3回未満のセッション

短い休息と低頻度での実施が、神経筋系の適応を促進すると報告されています。


まとめ

RSTは、ジャンプ力や直線スプリント速度をわずかに向上させるだけでなく、方向転換能力を大幅に改善するトレーニングです。敏捷性や加速・減速動作を強化したい選手にとって、理論的に裏付けられた実践的なトレーニング手法と言えるでしょう。



スケットボールにおける「距離」と身体への負荷


NBAの試合において、平均的な選手はポジションに応じて約2〜2.9マイル(約3.2〜4.7km)走るといわれています。 一見すると、それほど長い距離ではないように思えます。しかし、バスケットボールは単なるランニングスポーツではありません。

試合中は全力での加速・急停止・方向転換が頻繁に行われ、瞬間的な力の出力や柔軟な動きが求められます。このため、短い距離であっても、選手の身体には非常に大きな負荷がかかります。

その結果、選手ごとの疲労度やケガのリスクは大きく変わるため、トレーニングやリカバリーの管理が極めて重要になります。また、このデータを活用することで、より効率的な体力配分やケガ予防策を立てることも可能になります。

バスケットボールにおける距離の数値は単なる指標にすぎません。重要なのは、その距離を走る過程で選手の身体にかかる負荷や動きの質を理解し、適切に管理することです。



力バランスの不均衡とケガリスク


スポーツ選手のケガは、トレーニングや戦術だけでなく、筋力バランスにも大きく左右されます。2024年の研究では、大学のサッカー・バスケットボール選手を対象に、ハムストリング(もも裏)と大腿四頭筋(前もも)の筋力比(H/Q比)が測定されました。


調査方法と対象

  • 対象:94名の健康な大学生選手(男女、サッカー・バスケットボール)

  • 測定方法:ハンドヘルド等尺性ダイナモメーターで最大筋力を測定

  • 筋力バランスの指標:H/Q比(ハムストリング ÷ 大腿四頭筋)


主な結果

  • 約4割の選手がH/Q比 < 0.6 → ハムストリングが弱く、前ももに比べて筋力バランスが不均衡でした。

  • バスケットボール選手に特に多く、ジャンプや切り返し動作におけるケガのリスクが増大していました。

  • 男性は女性より筋力が高い傾向も確認されました。


まとめ

  • 多くの選手は、ハムストリングに比べて前ももが強すぎる傾向にあります。

  • 筋力バランスの不均衡は、ACL損傷やハムストリング損傷のリスクを高めます。

  • 定期的なチェックとハムストリング強化により、ケガの予防とパフォーマンス維持が可能になります。


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