スポヲタWeekly Report Vol-5
- maogushi
- 10月3日
- 読了時間: 6分
📣アメリカ主要スポーツで取り入れられている
トレーニングメソッドCLA(Constraints-Led Approach)とは?📣

CLAとは
CLAは心理学・神経科学の研究から生まれ、同じ動きを繰り返すパターン練習(筋肉記憶の概念)を否定し、制約(ステップ数、道具の違い等)を加えた実戦的な状況で適応力を鍛える手法のことを指す。
NBA クリーブランド・キャバリアーズでは、ケニー・アトキンソンHCがチームトレーニングにCLAを導入した。選手主導の即興的オフェンスを構築され、球団史2番目の好成績を達成。
MLBでは、投手に重さの異なるボールを投げさせ、リリースの調整力や怪我明けの肘の再適応を促す。大谷翔平もトミー・ジョン手術後に実践。
具体的事例
WNBAロサンゼルス・スパークスのケルシー・プラムはアキレス腱断裂からの復帰過程でCLAを取り入れ、「自分より大きな男性2人にハーフコートで挟まれ、5秒以内に得点を狙う」など、様々な実戦以上に厳しい制約環境でトレーニングを実施。MVP投票3位に入った。
プレミアリーグ リバプールFCのゴールキーパーアリソン・ベッカーは、聴覚制約:イヤーマフをつけさせ、観客の歓声どころか一切の音が聞こえない状態でプレー → 視覚集中力を強化。視覚制約:視野を狭めるゴーグルを装着し、周辺視野を奪った状態で反応 → 他の感覚(反射やポジション感覚)を最大化するという工夫をした。
NBAサンアントニオ・スパーズのスター選手、ウェンバンヤマもCLAの手法を取り入れた3対3ドリルで「その場で最適な判断をする」ことを徹底。例えば、彼がユーロステップから得点した場面でも、スキルーコーチは即座に中断し「もっと効率的な攻め方があった」とビデオで指摘。
Photo: Jared Weiss / The Athletic
Writer: 清水
📣WNBAコミッショナー、キャシー・エンゲルバート退任観測
強まる中、コリアーが痛烈批判📣

サマリ
ナフィーサ・コリアーがWNBAコミッショナーのキャシー・エンゲルバートのリーダーシップを「世界最悪」と批判した。
エンゲルバートの退任説は以前からあり、NBA・WNBA関係者との関係構築不足が原因とされる。
エンゲルバートは、WNBAの成長実績(11年22億ドルのメディア権利契約、フランチャイズ価値の180%増、2025年の収益見込み10億ドル)を残したにも関わらず、選手や関係者との不信や対立は拡大している。
リーターシップと不信
エンゲルバートは、選手・同僚との関係構築が不十分で「人と繋がれない」との指摘がある。
2024年9月のCNBCインタビューで、ソーシャルメディア上で選手に向けられたヘイトスピーチを非難しなかったことから慢性的な不信感が生じ、後に選手たちに謝罪している。
CBA交渉終了後に退任の可能性があり、企業界への復帰が予想されている。
Photo: Getty Images / Sports business journal
Writer: ベク・チェイス
📣UConnがFanWordと契約、AIでストーリー作成を効率化📣

サマリ
コネティカット大学(UConn)のアスレチック部門は、AIを使ったコンテンツ生成プラットフォーム FanWord と契約。
この契約を通じて、UConnは広報業務の効率化とファンエンゲージメントの強化を図る。
UConnの試合レポートや選手紹介などの文章作成プロセスを効率化し、アスリートやチームのストーリーをより多く届ける狙い。
補足
UConnは、ゲーム振り返り、選手特集、選手プロフィールなどを作成する際、FanWordの 使用することで、広報部が文章を速く、高精度で生成できるようになった。
FanWord Assist は選手とのオンラインインタビュー機能も備えており、選手から提供される情報を基にAIがコンテンツ作成を補助。
FanWord はアラバマ大学、オクラホマ大学、ネブラスカ大学、バージニア工科大学をはじめ、100校以上の大学に導入実績あり。
Photo: FanWord / FanWord
Writer: ビタラフ・アドル
📣MLB、2026年から「自動ボール・ストライク判定システム(ABS)」を正式導入へ📣

サマリ
2026年シーズンから「自動ボール・ストライク判定システム(ABS)」を導入
MLB競技委員会(オーナー6人、選手4人、審判1人)で承認。投票数の詳細は非公開で、選手票は全会一致ではなかった。
6年間のテストを経て導入決定、独立リーグ、マイナーリーグで段階的に検証。2方式(全投球をABS判定/チャレンジ方式)のうち、選手・ファンともにチャレンジ方式を支持。
Hawk-Eye Innovations社のカメラシステムを採用(Statcastと同じ技術)。精度は0.2インチ(M&Mチョコ半分の幅)。
補足
MLBルールブックでは立体ストライクゾーンだが、ABSはホームベース上の2Dゾーンで判定。ゾーンの基準は打者の身長比で下限27%、上限53.5%に設定。
2024年末の労使交渉で審判組合と合意済み。
MLBは公平性向上に加え、スポンサー収益・ファン体験価値の両面で効果を狙う。
Photo: Getty Images / Sports Business Journal
Writer: ビューワーニック・ダグラス
📣WNBA、Versant社と11年間の放映権契約を締結📣

サマリ
WNBAは9月30日にUSAネットワークを運営するメディアVersant社と新たな放映権契約の合意に至ったことを発表。
USAネットワークは年間少なくとも50試合を放送し、プレーオフやファイナルの一部、さらにスタジオ番組も含まれる。地上波・ケーブル・ストリーミングを組み合わせたWNBAのマルチプラットフォーム戦略を強化するもの。
金額は非公表なるも、近年の人気拡大を受け、放映権の価格も急激に上昇しているものと見られる。
詳細
WNBAが既に獲得している放映権は2025年までは年間60百万ドル(75億円)とされる。
2024年にVersant社と、2026年から2036年までの11年間、Disney、Amazon、NBCUなどとの放映権契約を締結。金額は年間約200百万ドルと3倍以上に拡大。
今回新たに発表されたUSAネットワーク/Versantとの契約はこの包括的契約の一部だが、この分についての金額は非公開。WNBA選手会は、年間約200百万ドルでもリーグの価値が過小評価されていると懸念を表明していた為、人気急上昇中のスター選手(例:ケイトリン・クラーク)や視聴率の伸びを踏まえて、再交渉が行われたものと推察される。
記事:AP Photo/Jessica Hill, File / AP News
Writer: M
📣Amazonが提供する新時代のストリーミング配信📣

サマリ
Amazon Prime Videoは今シーズンからNBAの試合配信を開始し、AIや双方向対話機能を活用した独自の試聴体験を提供する。
アメリカのスポーツベッティング市場の最大手であるFanDuelとの提携により、個人のベット進行状況やオッズをリアルタイム表示し、低遅延配信でストリーミング特有のタイムラグという課題の解決を狙う。
ベッティング機能に加え、複数試合を同時視聴できるマルチビューやリアルタイム統計表示、さらにはオンスクリーンショッピング機能なども実装し差別化を図る。
補足
Amazonは11年間のNBA放映権契約により、レギュラーシーズン67試合や欧州開催ゲーム、カンファレンスファイナルを放映予定。
ブラックフライデーにはNFLに続くダブルヘッダー中継をし、スポーツイベントとEコマースを連動。
責任者であるJay Marineは「祝祭的なトーン」を重視し、選手のスキルと魅力を讃える演出を強調した。
Photo: AMAZON PRIME VIDEO / FRONT OFFICE SPORTS
Writer: 山崎
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