ユーロリーグが試合中のウェアラブル実装を承認
- Sporta Science
- 9月19日
- 読了時間: 2分
ユーロリーグが試合中のウェアラブル活用を正式に承認。これはバスケットボールにおけるパフォーマンス管理のあり方を大きく変える重要な決定となる。

これまでウェアラブル端末は主に練習で用いられ、負荷の管理やコンディション把握に活用されてきた。今回の試合中導入により、トレーニングと実戦のデータを同じ基準で比較できるようになり、選手をより包括的に評価することが可能となる。
この変化は単なるデータ量の増加ではない。リアルタイムの客観的データを得られることで、以下のような意思決定が精緻化される。
負荷管理:練習と試合の負荷を比較し、過負荷や準備不足を防ぐ。
ローテーション判断:疲労の兆候を基に交代を検討し、選手のパフォーマンス維持と怪我予防につなげる。
健康管理:ワークロードの急増を検知し、怪我リスクを早期に察知。復帰に向けた調整や回復計画をより適切に設計できる。
オリンピア・ミラノのパフォーマンス責任者であるKostas Chatzichristos氏は、次のようにコメントしている。
「試合中のウェアラブル使用承認はパフォーマンス最適化に向けた大きな前進だ。トレーニングでの負荷管理やリカバリー調整に加え、リアルタイムの試合データを得られることは、競技が要求する実際の負荷を理解し、トレーニングとの整合性を高め、怪我のリスクを減らすために欠かせない。」
選手の健康を守ることは、パフォーマンス向上と同じくらい重要なテーマである。今回の決定は、データに基づいたアプローチが今後のスタンダードになることを示している。ユーロリーグがその先陣を切った意義は大きい。
(KINEXON社 CEO / Maximilian Schmidt 氏の LinkedIn の投稿より引用)
スポヲタ考察
実はこの領域で先行しているのは、日本のBリーグである。数年前からKINEXONの導入が拡大し、現在はB1所属17チーム、B2所属1チームが練習と試合の双方で活用している。
昨季からは「自チームのパフォーマンス評価」「練習強度設定」「戦術分析やタレント発掘」といった目的に基づき、試合データの標準化を進めており、今後も継続的に取り組んでいく予定である。
ユーロリーグにおいても、同様にデータの標準化や公開が進むことで、活用の幅がさらに広がることが期待される。同時に、ユーロリーグの取り組みから得られる知見を国内の事例にも活かしていきたい。
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