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スポヲタマガジン7月号-②

  • 執筆者の写真: Kosuke Shimizu
    Kosuke Shimizu
  • 7月31日
  • 読了時間: 8分


💡インディアナ・フィーバーや若手選手が

WNBAのスポンサーシップ成長を牽引💡

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内容

  • ケイトリン・クラー擁するインディアナ・フィーバーとダラス・ウィングスの若手スター選手ペイジ・バッカーズは、2025年のWNBA界のスポンサーシップ事業を牽引している

  • フィーバーは、リーグ最多の合計92件のスポンサー契約を締結

    • 例:インディアナポリスに本社を置くイーライリリー社とのジャージーパッチ契約、ゲイン・ブリッジ社との契約(ゲイン・ブリッジ社はケイトリン・クラーク本人とも大学時代から複数契約)。

  • 2024年のスポンサーシップ契約事情

    • WNBAチームのスポンサー収益合計額は7600万ドル(約114億円)に達し、チームの平均契約数は44件で、2022年から+52%の成長を見せている。

    • 1件あたりの平均契約額は14.3万(約2815万円)ドル、契約ブランド数は450社、スポンサー契約数は531件にのぼった


その他トレンド

  • スポンサーシップの支払い金額という観点では、金融・ヘルスケア業界が大部分を占めた

    • 金融業界:ゲイン・ブリッジ社の他、アライ・ファイナンシャルやロビン・フッド社が名を連ね、同3社が金曜業界のスポンサーシップ契約金額の40%を占めた

  • バッカーズ選手が2025年オールスター前の12ヶ月間に行ったブランド投稿に対し、SNS上で得たリアクションの総計が490万件にのぼり、リーグ全選手の中で最も多かった


Photo: Getty Images / Sports Business Journal





💡WNBAが10億ドルのスポーツ産業になる日も近いか💡

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内容

  • 現在のビジネス規模と評価:

    • 2024年6月時点のWNBA全体のチーム評価額は11.6億ドル(約1740億円)で、1チーム平均の評価額は9600万ドル(約144億円、ニューヨーク・リバティは現在2億ドル(約300億円)で評価されており、2030年代半ばには10億ドルに到達することを目標としている

    • 2026年からディズニー・NBC・Amazonとの11年の大型放映権契約を締結し、金額は年2.2億ドル(約330億円)がチームに分配される

    • インディアナ・フィーバーは24年に平均観客数が前年比約4倍、ヴァルキリーズは3月にシーズンチケット1万枚を販売した初のWNBAチームとなり、リーグ全体の売上は24年7.1億ドル(約1035億円)から25年は10億ドル(1500億円)への成長等々上昇の一途を辿っている

リーグの課題

  • 現段階では多くのチームはまだ赤字経営を続けており、リーグ全体では2024年には約4000万ドル(約60億円)の赤字が見込まれている現実もある

  • 選手の待遇改善要求

    • 選手会(WNBPA)は2023年末にCBA(労使協定)を破棄し、より適切な契約条件の交渉へ、選手の貢献に見合う報酬と評価を求めている


Photo: Getty Images / Sports Pro





💡25年のNCAAでの選手への歴史的な収益分配💡

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内容

  • 数年前に開始されたNIL制度に加え、25-26シーズンからは新たな収益分配制度(25年7月1日より1校当たりの上限は20.5百万ドル(約30億円))も導入され、大学からすると歴史的な支出額となった。コーチ陣は「今後このような支出額は見られないだろう」とのコメントを残している。

    • 今後NILコレクティブ(実質的に大学と連携している、大学OBや地元企業、ファンの寄付などで運営される民間団体)から選手に支払われる金額については、25年7月以降審査が厳しくなることが予想され、審査が厳しくなる25年7月以前に多額のNILが支払われたこともあり、歴史的な支出額となった

  • チーム全体の登録選手全員にかかるリーグ内での予算の平均額は上記の通りで、

    デューク大・ノースカロライナ大という東海岸を中心とした名門大学が所属するACCリーグでは大学間での予算規模の差が1,000万ドル(約15億円)を越す場合もあり


補足情報

  • オープンドーシャ社推定で、強豪校が所属するリー)は収益分配枠のうち平均で約20.3%(約400万ドル)を男子バスケに割り当てられているとのこと

  • コーチ陣は25年に選手に対して歴史的な分配をしてしまったことにより、次年度以降分配金の減少額による選手からの出る不満を懸念しており、実際に2026年のトップ25リクルート選手の内、まだ3人しか進路を決めていない

    • 一方、例えば登録選手が少ないバスケ部が強い学校は26年にける収益分配金をバスケ部に集中させる等して25年から26年への減少額対応を工夫ができる可能性があり、優秀な選手をより多く獲得できる可能性あり


Photo:Brendan Marks, CJ Moore, Lindsay Schnell / The Athletic





💡2K Sportsが約17年ぶりにカレッジバスケットボールゲーム

を開発か💡

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内容

  • 男子・女子合わせて100校以上のカレッジチームの選手が収録され・登録予定とのこと

  • 各チームの選手たちには、NIL対価が支払われるとされています。

  • 参加が噂されている大学には、ビッグ10所属のUCLAやミシガン州立、ビッグ12のヒューストン大等の有名大学の名前が上がっている


背景

  • 2014年にエド・オバノン(元UCLA男子バスケ選手、1995年NCAA王者)が、選手の肖像が、本人の同意も報酬もなくビデオゲームなどで使われていることは違法だと主張し、NCAAを提訴。カリフォルニア連邦裁判所はNCAAによる“選手の肖像権の制限”を違憲と認定

  • 以来、約15年カレッジスポーツゲームは表舞台から消えることとなった

  • しかし昨今NIL制度が整い、EA Sports社がCollege Football 25発売。これは米国史上最も売れたスポーツゲームとなる大成功を収めて、2K Sportsがカレッジバスケットボールゲームを発売することに繋がった


Photo: 2K / Sports Business Journal





💡ESPN社のD2C新サービス成功の鍵とは💡

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内容

  • ESPN社は、2025年秋から新D2C配信サービス「ESPN」を開始予定で、月額29.99ドルの無制限プランと、月額11.99ドルの「セレクト」プランの2種類が提供される予定。

    • 無制限プランでは、年間47,000以上のライブイベントやすべてのESPNコンテンツを視聴可能となる

  • Disney CEOのボブ・アイガーはこの取り組みを「NFLの放映権を獲得した以来の大きな一手」と評しており、既存の2,500万人のD2CサービスESPN+契約者は自動的にESPNのセレクトプランに加入することとなるが、ESPNは特にESPN+ユーザーを無制限プランにアップグレードさせることに注力

  • 既存のTV上でESPNを見ている層の多くがESPNに切り替わることは、 ESPN社はリスクでもあり、ESPN社としては完全に新規顧客または層を取り込みたい模様

    • MVPD(ケーブルテレビ会社等)はESPN社に対し1契約あたり高額な配信料を支払っていることもあり、MVPDの加入者がESPNに流れすぎてしまうと、MVPDからの安定収益が下がるという面もある


補足

  • ESPN社側としては、完全新規顧客またはTV解約層を取り込みたい

    • 契約者数や収益だけでなく、どの層の顧客を取り込んだかが成功指標となると言える

  • ESPNのD2Cサービスは2001年の「ESPN Broadband」から始まり、"ESPN360"→"WatchESPN"→"ESPN+"→ESPNと変遷してきている


Photo: Getty Images / Sports Business Journal





💡26年1月にレギュラーシーズンの試合をドイツで開催

NBAヨーロッパリーグ設立に向けた布石か💡

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内容

  • ヨーロッパで新リーグ設立の検討をしていることを正式に公表したNBAは、2026年1月15日(@ベルリン Uber Arena)と1月18日(@ロンドン The O2)にオーランド・マジックvs メンフィス・グリズリーズ の試合を開催することを発表した

  • オーランド・マジックには、ドイツ出身ワグナー兄弟が所属していることもあり、彼ら二人にとっては凱旋試合ともなり、盛り上がりが期待されている ※ワグナー兄弟は、2023年W杯でドイツを優勝に導いた実力者である

  • NBAは、2027年にはマンチェスターとパリで試合を予定しており、2028年にも再びベルリンとパリで開催を予定している


その他陣営の動き

  • レブロン・ジェームズのビジネスパートナー、マーベリック・カーターが中心となり新たな国際バスケットボールリーグ設立を目指しているとの報道あり

  • 投資家として、シンガポール政府、サウジアラビアの公共投資基金(PIF)、Skype創業者 ジェフ・プレンティス、ギャラクシー・エンターテインメント(香港)が名を連ね、50億ドル(約7500億円)が目標額との報道あり

  • NBAに直接対抗するつもりはなく、"バスケットボール版F1"を目指し、2週間ごとに開催地を変えながら、8都市を巡回するとのことでシンガポールマカオが開催地候補として報道された。

  • 男女それぞれ6チームずつが参加予定。レイヤーにはリーグの株式が提供される見込み


Photo: Benny Sieu-Imagn/ Front Office





💡ノースカロライナ大学は"同じエリア"に複合スポーツ施設と

新バスケットボールアリーナの建設計画を進めている💡

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内容

  • キャンパスから数マイル離れた所に、25,000席規模の大型スポーツ複合施設を建設する計画を進めています。これはサッカーやクリケット、ラグビー、アメリカンフットボール、さらにはコンサートやイベント開催も視野に入れた多目的施設となる予定

  • 同施設は、同大学が所有する1000エーカーの敷地に建設予定

  • 同大学アメリカンフットボールのケナンスタジアムでは、名門サッカーチームのマンチェスターシティの試合」を開催したこともあり、アメリカでのサッカーの開催地としてブランドを構築してきた。新施設建設により、構築してきたブランドの成長に拍車をかけると大学は見込んでいる


新バスケットボールアリーナ構想

  • 伝統のある同大学のバスケットボールアリーナ"ディーン・E・スミス・センターを廃止"し、バスケットボール専用アリーナを建設することも検討中。完成までのタイムラインは設計準備開始から約6年と試算

  • 新アリーナは16,000席規模で、約20%がプレミアム席、3,000席が学生席、一般席約10,000席(上下階に分割)という情報も噂されている

  • 新設により、1980年代に導入されたPSL(※)の大部分をリセットし、新たな収益源を確保できると関係者が考えている模様 ディーン・E・スミス・センター建設時、地元の裕福層が好条件の座席を「長期保有」できる約5,500のPSLを販売したが、今日まで同じ価格で継続して使われていることもあり、新アリーナ建設により再販売ができると大学は見込んでいる


Photo: Getty Images / Sports Business Journal












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