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スポヲタマガジン7月号-①

  • 執筆者の写真: Kosuke Shimizu
    Kosuke Shimizu
  • 7月17日
  • 読了時間: 7分

更新日:7月29日



💡大注目ルーキーのクーパー・フラッグが及ぼす経済効果💡

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内容

  • 元デューク大のスター選手で今年からNBAダラス・マーベリックスに入団するクーパー・フラッグが出場したサマーリーグ(シーズン前のオープン戦に相当)の試合では、

    • 平均視聴者数95万5千人で、ピーク時は112万人(前年比+67%)に達した。NBAサマーリーグ史上4番目に視聴された試合

    • 開幕戦が行われた日の平均価格は201ドルで、これは「サマーリーグ史上最高額のチケット」と報じられている。


クーパー・フラッグのビジネス活動

  • デューク大で過ごしたのは1シーズンのみだが、契約したNIL総額は総額2,800万ドル(ニューバランス1,300万ドル・ファナティクス1,500万ドル)にもなると言われている

  • NikeやAdidasに次ぐグローバルなスポーツブランドを目指すニューバランスにとって、次世代スター獲得の大きな一歩と捉えている

    • デューク時代には夜間に専用のフィッティングテストを繰り返し、NBAデビュー前には自らデザインしたシューズのキャンペーンを撮影限定カラーの販売を計画中とのことで、全社をあげたプロモーション活動を実施中


Photo: Getty Images / Sports Business Journal





💡サンアントニオ・スパーズ新アリーナ開発含むさんアントニオ

ダウンタウン開発計画について地域住民から反対を受ける💡

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内容

  • サンアントニオ市が計画している、NBAサンアントニオ・スパーズの新アリーナ開発含むダウンタウン地区のスポーツ複合施設開発プロジェクト計画の"プロジェクトマーベル"を公的資金で進めることについて反対する運動が地元住民で行われている

    • プロジェクトマーベル全体の開発コストは数十億ドルで、その内公的資金で魔買う金額は未定

  • 住民が反対する理由としては、交通渋滞・ダウンタウン地区が観光客向けの街に変貌してしまうこと等が挙げられている

  • サンアントニオ市はプロジェクトマーベルを承認したが、予算感・スケジュール・含まれる施設は未定


関連情報

  • サンアントニオ市はポピュラス社に「地区計画案に関するデューデリジェンスと実現可能性調査」を委託

  • NBAの最新の2つのアリーナは、どちらもチームオーナーの私費で建設されている

  • スパーズのピーター・ホルト会長会長は、スパーズの市場規模がNBA30チーム中26位・27位といった低い位置にいると主張している


Photo: Populous / Sports Business Journal






💡NBAの全国ストリーミングRSNは2027-28年に開始予定💡

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内容

  • NBAは、リーグ拡張に向けて、全国規模のストリーミングRSN(地域放送)を2027-28シーズン以降に構想

  • 2027-28年の開始時は約20チームが同RSNに加わる予定で、残りのチームは、契約満了やパートナーシップの再交渉を経て段階的にRSNに参加

  • 既存の長期ローカル契約が本構想の障壁となっている。レイカーズ(2032年まで)、セルティックス(2031年)、ニックス(2029年)などは長期契約中


全国ストリーミングRSN構想概要

  • NBAリーグパスを進化させたような高度なカスタマイズ機能付きの配信を想定

    • メルカリのようなグッズ購入機能

    • ベッティング機能

    • 複数の視聴モード(オルタナティブ放送)等


Photo: Anadolu via Getty Images / Sports Business Journal




💡ポートランド・ブレイザーズのチーム売却に伴い

NBAのチーム拡大は一時保留となるか💡

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内容

  • NBA新たなチーム創設の議論がついにBOG(理事会)でなされたが、ポートランド・トレイルブレイザーズの売却が本格化したことや新たなチーム創設した際の放映権の分配方法等の障壁が出てきた

  • ポートランド・トレイルブレイザーズ買収額は最低でも40億ドルが見込まれこれが将来の拡張チームの「市場価値の基準」となる可能性あり

  • 既存のチームオーナーは、新たなチームを創設した時に減少する分配放映権料を補填することリーグに求める意向


その他BOG(理事会)でのトピック事項

  • NBA Europe構想が前進している模様、NBAファイナル中にアダム・シルバーは「数年以内の立ち上げ」を示唆した

  • 放送、マーケティング、ユーロリーグ関係者との正式協議を承認する可能性が出てきている

  • NBA Europe構想の競合

    • サウジアラビアの政府系ファンド(PIF)による国際リーグ構想

    • レブロン・ジェームズのビジネスパートナー、マーベリック・カーターがアドバイザー就任との情報もあり、NBAにとって実質的な脅威になりつつある


Photo: NBAE via Getty Images / Sports Business Journal






💡NBA Launchpad Demo Day 2025💡

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内容

  • NBAと選定されたスタートアップが数か月にわたり共同でR&D(研究開発)を行う「NBA Launchpad」プログラムの一環で、スタートアップ企業が自社サービスについてラスベガスで発表した

  • 本プログラムでは、スタートアップがNBAのニーズに合わせて、サービスをピボットすることが主旨

  • 単に30チームと個別取引するのではなく、リーグ全体でファンエンゲージメント、審判補助、視覚障がい者対応等の要素に対する発展性を見出そうとしている


今回の発表事例

  • SportIQ

    • 本来は消費者向けのバスケットのプレイ改善用のプロダクトだが、NBAの要請で新たに「アウトオブバウンズ時の最終接触選手判定」機能を追加開発

    • ボールの空気バルブに内蔵した1gの加速度計・ジャイロセンサーがコア技術。

    • NBAサマーリーグでWilson製公式球に搭載して試験運用中。

  • OneCourt

    • これまでアリーナ限定だった触覚デバイス(デバイス上にある「触れるディスプレイ」には、バッテンの線やコートの図が描かれ、ボールやプレイヤーの位置、試合の流れを振動で表現)を家庭用にシフトし、「TV放送と同期した自宅での観戦体験価値向上」に付随する形にカスタマイズ

    • 家族と一緒にTV観戦するか、1人でラジオを聴くかの二択に迫られていた視覚障がい者に対し、“同時に体験”できる選択肢を提供

  • Trashie

    • 元々はリサイクルバッグのD2C販売会社で、不要になった衣類・靴・布製品などを最大15ポンドまで詰め込める専用バッグを注文(無料配布もしくは有料購入)し、UPS店舗で無料発送すると、クーポン等を獲得可能なサービス

    • NBAとの提携により、当該バッグの試合当日のイベントで配布することが可能となった

    • 全国放送による露出効果で4,000件の新規購入に成功。


Photo: Joe Lemire / Sports Business Journal





💡WNBA視聴率上昇傾向続く💡

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内容

  • WNBAの今シーズンの視聴率は前期比+9%を記録しており、放映権を持つESPN、CBS、ION、NBA TVはいずれも視聴率を伸ばしている

  • ESPN・ABCの試合視聴者数は平均130万人で、スター選手ケイトライン・クラークの復帰試合は視聴者数が210万人となり、ABCが放映したWNBAの試合(レギュラーシーズン、ポストシーズンを合わせた)の中で4番目に多い視聴者数を記録した

  • ケイトリン・クラークの人気がWNBAの成長に寄与していると思われるが、ケイトリン・クラークが出場していない試合でもESPNの視聴率は前年比+22%を記録している


その他WNBAの記録について

  • ION:金曜夜の放送で平均59.5万人で、前期比+12%

    • Dream vs Fever(ケイトリン・クラーク所属)の試合は150万人の視聴者数を記録し、IONが放送したWNBAの試合で歴代2位を記録

  • CBS:6試合の平均は140万人(前年比微増)

  • SNS:全体の動画再生数は前期比+28%

    • Commissioner’s Cupでは、再生5500万回(前期比+33%)


Photo: NBAE via Getty Images / Sports Business Journal






💡WNBAポートランド・ファイヤーが復活💡

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内容

  • 2000〜2002年に存在したチームと同じ名前を用いた新チームが創出された、市民からも復活を望む声が多く、アンケートでも「Fire」が最有力だった

  • 元Nike社幹部のClare Hamill氏が社長になる見込み。元大学バスケ選手、引退後にポートランド・ファイヤーのオーナー企業になるRAJ社と接点があったことから社長に任命された模様

  • シーズンチケットは11,000件以上既にある申し込まれている模様


背景:旧チーム「Portland Fire」の解散理由

  • 2002年にNBAがWNBAチームの保有権を各都市のオーナーに移譲依頼したが、

    当時のNBAポートランド・トレイルブレイザーズオーナーのPaul Allen氏がポートランド・ファイヤー継続を辞退し、チーム解散

  • 同時期に他WNBAチームが解散したり、チームのオーナーおよ本拠地を移転すること等が発生した


Photo: RAJ Sports / Sports Business Journal


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