スポヲタマガジン5月号
- Kosuke Shimizu
- 5月27日
- 読了時間: 7分
更新日:1 日前
米国を中心としたスポーツ業界情報の要点をまとめてご提供します
お忙しい時間の合間に読んでもらえると幸いです
💡デルタセンターは2027年からNBAとNHL
どちらの試合観戦にも適したアリーナへと変貌予定💡


内容
NBA ユタ・ジャズとNHLユタ・マンモスのオーナー企業であるスミス・エンターテインメント・グループとユタ州ソルトレイク市が本拠地デルターセンターの改修費用が含まれている投資(総額30億ドルを越す)を実施
デルタ・センターは元々バスケットボールコートが主体のアリーナであり、そこにアイスホッケーの試合も開催している故に、座席間の傾斜角が、どちらのスポーツにも適した観戦体験を難しくさせている
StageRight社の昇降式座席システム(トリプルシザーリフトシステム)により、ゴール裏の席29列の角度を、NBAの試合時には急にして、NHLの試合にはなだらかにすることにより、両スポーツの観戦価値体験を最適なものにする予定
その他
上層階からの観戦価値も上げるべく、こちらも改修予定。座席数は、ホッケー座席数:11,131席 → 約17,000席、バスケットボール座席数:18,206席 → 約19,000席に増加予定
新プレミアムスペース追加(1階)、トイレ容量12%増加、氷品質向上のための除湿機4台設置、アイスホッケーリンクとバスケットボールコートの切り替えは12時間→8時間に短縮
新たな東側メインエントランスを設置し、開発中のアリーナ近辺のエンタメ地区と接続し、複合開発とする予定
出典:Sports Business Journal「SEG will try to solve the hockey vs. basketball arena conundrum with Delta Center renovation」(2025年4月30日) https://www.sportsbusinessjournal.com/Articles/2025/04/30/seg-will-try-to-solve-the-hockey-vs-basketball-arena-conundrum-with-delta-center-renovation/
💡大手アスリートマネジメント企業WMEスポーツは
バスケット部門(WMEバスケット)事業を売却💡

内容
NFL・NBA・MLB等のリーグに所属しているアスリートのマネジメント事業も行っているWMEスポーツは、親会社Endeavor社の株主であるDFOマネジメントがNBAスパーズの株主であることから、WMEバスケットを売却することを決定した
※NBAの規定で、チームオーナーが選手の代理業務に関与することが禁止
※WMEバスケットには、アンソニー・エドワーズ、ルカ・ドンチッチ、アリヤ・ボストン等錚々たるスター選手が所属
同部門は売却後も、"WMEバスケットボール"の名前を使用し、同社代表はベテラン代理人ビル・ダフィーが務める
その他
WMEバスケットボールは、ドラフト上位指名される将来有望な大学生とも多数契約を締結
今回はバスケット部門に関してのみのトピックとなっているが、WMEはアメリカンフットボール部門およびベースボール部門に対しても事業運営のあり方改革を行う必要があり、今回と同様の対策を施す可能性あり
出典:Sports Business Journal「WME Sports will divest WME Basketball, nearing resolution with baseball representation」(2025年4月29日)
💡NBAは2025プレイオフのボーナスで
総額約3,500万ドルを選手へ分配予定💡

内容
NBAのプレイオフ賞金総額は約3,500万ドル(前年+100万ドル)であり、これはシーズンの順位とプレーオフ成績に応じて各チームに配分される。
プレイオフのチームへの配分金額は、1回戦敗退:46万6,000ドル、2回戦敗退:56万8,000ドル、カンファレンス決勝敗退:95万1,000ドル、準優勝:380万ドル、優勝:880万ドルとなっている。
チーム毎に賞金配分ルールは異なり、選手間均等分配または出場時間や貢献度に応じて配分する場合もあり

その他
他の主要リーグとNBAのプレイオフでのボーナスを比較すると、NFLは35万7,000ドル、MLBは47万7,000ドル、NHLは23万6,000ドルとNBAの半分以下の金額となっている
MLBは昨年ワールドシリーズがドジャーズ対ヤンキースという名門対決での収益効果もあり、過去最高のボーナス支給となったことを考えると、如何にNBAの支給額が大きいものか分かる。
NBAは、選手によってはプレイオフの成績次第で年棒が30%程増えるケースもあり、プレイオフボーナスが及ぼす影響は非常に大きいと見られる
出典:Sportico「NBA Playoff Salary Explained」(2025年4月15日)
💡NBAプレーオフ視聴率ファーストラウンド終了時点で
テレビ視聴率前年比+6%💡

内容
平均視聴者数は約500万人で、前年の約470万人から増加した。
18〜34歳の若年層視聴率は前年比で12%増加し、着実に将来のNBAファン層獲得している
スター選手が出場した注目試合では、視聴率が15%以上増加するケースもあり、ストリーミング視聴も前年比で20%増加、特にモバイル端末からの視聴が顕著だった。
その他
ストリーミング視聴の利便性向上やモバイル利用の増加に加え、SNSとグローバルマーケティングの強化によって新規ファンの獲得が進んでいる上で、今年は接戦が多く最後まで目が離せないことも視聴率の獲得につながっていると見られている
出典:Sportico「NBA Playoff Ratings Up 6% Through First Round」(2025年5月7日)
💡スケッチャーズの94億ドル売却で、
評価額がゴールデン・ウォリアーズ並みに上昇💡

内容
世界第3位のシューズブランド"スケッチャーズ"は、25年5月にブラジル系の投資会社3Gキャピタルによる94億ドルで買収されたことが発表
買収価格は1株あたり63ドルであり、約28%のプレミアムが上乗せされている。株主は、63ドルの現金または57ドルの現金+非公開親会社の持分のいずれかを選択可能である。
本社はカリフォルニア州マンハッタンビーチに残り、現経営陣が継続して運営を行う予定であり、買収完了は2025年第3四半期を見込んでいる。
その他
2024年の売上高は約90億ドルであったが、貿易摩擦や関税の影響により利益率が低下している。
中国・東南アジアへの生産依存が高いため、米国の関税政策が主要なリスク要因となっている。
現在、コスト削減や価格調整などによる課題への対応策が検討されている。
出典:Sportico「Skechers $9.4B Sale Boosts Valuation to Warriors Level」(2025年5月5日)
💡MLB、NBA、NHL、ストリーミングについて議会と協議へ💡

内容
公聴会は2025年5月6日に開催され、MLB、NBA、NHLの幹部が証言を行った。上院商務委員会は、スポーツの視聴がより公平で手頃な価格で提供されるよう、法的措置や政策の見直しを検討している模様
主な議題は、ストリーミングサービスの増加による視聴環境の複雑化と視聴コストの上昇。クルーズ議員は、リーグがスタジアム建設等で公共支援を受けていることを理由に、市民への責任を果たすべきと主張
NFLは招待されたが欠席し、批判を受けている
その他
上院商務委員会の主な懸念点
視聴の複雑化とコスト増加:
独占禁止法の免除と公共の利益
ブラックアウト(視聴制限)と地域格差
公共資金による支援と市民への責任
NFLの不参加と透明性の欠如
出典:Sports Business Journal「MLB, NBA, NHL to talk to Congress about streaming」(2025年5月6日)
💡NBCスポーツCEOがNBC、広告主にとってのNBAの価値を称賛💡

内容
NBAのシーズンは10月に開幕し、WNBAも含めるとで年間を通じて視聴者維持が可能
第2四半期に盛り上がりを見せるNBAのスケジュールは、他のスポーツコンテンツが少ない時期において視聴者を引きつける要因となっている。
Peacockでの独占配信により、視聴者の離脱防止およびサブスクリプション継続率の向上が期待されており、NBCは試合を"ビッグイベント"として演出し、日曜夜のアリーナ中継に力を入れている
その他
若年層の視聴者と文化的影響力が魅力故に、NBAは広告主にとって理想的なコンテンツ
年間を通じたコンテンツ提供により、Peacockの視聴者離脱防止に貢献している
第2四半期に視聴者を獲得しやすいスケジュール構成が、他スポーツとの差別化要因と
出典:Sports Business Journal「NBC Sports’ Cordella touts NBA’s value to NBC, advertisers and streaming growth」(2025年5月1日)
Comments